【企業コラム】新入社員教育について考える(Ⅰ)
昨今の新入社員は、2002年から始まった「ゆとり教育」の気質を持ち続け、さらには、博報堂の若者研究所のリーダーである原田曜平氏が提案する「さとり世代」(2013年10月に出版された著書のタイトル)の気質を持っているようにも見受けられます。
その特徴は、大きな夢や望みがなく、総じて恋愛にも興味がなく、無駄遣いもしない。気の合わない人とは、つきあわない。無駄な努力や衝突は避けるが、ルールは、キチンとと守る。また、インターネットを利用して育ってきている世代であることから、ネット情報が豊富で、合理性を重んじる。安くてもそれなりに質のいいものを好み、コストパフォーマンスを重視するという傾向が顕著に見て取れます。
また、毎年の新入社員の特質を言い表し、話題にもなる日本生産性本部の調査では、2015年の新入社員の特質は、「消せるボールペン型」とのこと。この消せるボールペンは、“書き直しができる機能”(変化に対応できる柔軟性)を持ち、その特質を活かすことが大切であるとしています。新入社員をすぐ即戦力にしようと思って、熱血指導すると、個性を消しかねず、また、使い勝手のよさから酷使しすぎると、すぐにインクが切れてしまう。つまり、早期に離職してしまう危険性をはらんでいるとまとめられています。
見方をかえると、企業側や我々、教育に携わる者としては、「さとり」世代の「消せるボールペン型」新入社員の個性を消さず、いかに、個性を伸ばしていくかが強く求められているといえます。
当然のこととして、新入社員にとって、社会人としての早期の諸スキルの習得は欠かせません。しかしながら、本当に大切なことは、繰り返しになりますが、新入社員の個性を伸ばし続けることであり、そのためには、何が必要か(答えを出すことは簡単ではありませんが)、一つのアプローチとして、新入社員の「やる気」を継続して高めていくことが重要であるといえます。
新入社員の「やる気」を高める、すなわち、新入社員の動機づけ=モチベーションについて、今後、複数回にわたり考えていきます。
文責:NKS能力開発センター 笠毛 昭彦
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- 2016年2月15日
- 【企業コラム】新入社員研修で学ぶべきこと
- 平成28年2月16日 昨今の新入社員・若手社員が不足する
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